HK-M501
TRANSFORM BAG
FABRIC: TITANIUM BLUE CLOTH
FUNCTION: 撥水加工、難燃加工
PRICE : ¥24,200(INTAX)
1. デザインノート
「薪(まき)」を運ぶバッグ、なんて限定的な使用用途。
ただ有るのと無いのとではフィールドでの段取りに雲泥の差が生まれる。
「薪」は焚火をする者にとっては「燃料」であり、バトニングの時は「道具」になり、焚火台の下地にもなる必要不可欠な物。
ただ持ち物の中でも重量があり、そして木くずなどのゴミが出やすい。
「薪バッグ」はそんな問題が一気に解決してくれる道具。
キャンプライフをスマートにしてくれる。
とはいえ私も誕生日に頂いた「薪バッグ」で出会い、その便利さに気づいたたちである。
「焚火」を楽しむ身としては「焚火の為だけに存在する道具」と言うのも愛おしいが
キャンプ以外でも使えたり色々な用途に転用できる
そんな「トランスフォーム=変化する薪バッグ」があれば
と言う使用者目線でデザインを始めた、、
※写真は1stサンプルの為、最終仕様とは異なります。
2. 素材 TITANIUM BLUE CLOTH
「綿ナイロン インディゴテントクロス」
縦糸がインディゴ染めの綿、横糸がナイロンのフィラメント糸を使用した平織のテントクロス。
すべてコットンではタープとしての強度が不足、そして重量もコットンだけではそれなりに重くなる。
逆にすべてポリエステルやナイロンにするとインディゴ染めが出来ないし、どこにでもある。
そして難燃性も弱く、焚火の近くで使えない。
そのそれぞれのメリットデメリットを相殺するために、
「縦糸を綿、横糸をナイロン」を選んだ。
縦糸に綿を選んだのは「インディゴ染めが出来て、難燃性を高める為」そして何より合繊では出せない佇まいがある。
横糸にナイロンを選んだのは「ポリエステルよりも強度の強いナイロンで綿の脆弱性を補うため」
さらにナイロンの中でも「フィラメント糸」と呼ばれる継ぎ目の無い糸を使うことでかなり強度を高めることが出来た。
そして「デニム」ではなく「藍染の布」を目指すために
縦糸は糸の段階でインディゴ染め
横糸はナイロンの原材料から「黒色」のタイプを選び、
染まっている糸で最後に「織る」事で、インディゴの色が深く鮮やかで
ブルーの色が引き立ち 映える様に設計した。
そして職布は生産速度も遅く本来無地には使われない希少な織機「ジャガード織機」
しかもインディゴは一度織ると機械に色が付くので、インディゴが織れるジャガード織機は更に希少です。
緻密な設定とゆっくりとした速度で織ることでその生産を可能にしました。
熱すると鮮やかなブルーから紫のグラデーションに変色する「チタン」が
インディゴとシンパシーを感じたのでこの名前を名付けた。
「青は藍より出でてチタンより青し」
3. 人となりの色に染まる道具
縦糸に使うインディゴ染の糸は「ロープ染色」と言う手法で染めている。
通常細番手の藍染は「かせ染」と呼ぶ手法が多いが、「ロープ染色」のそれはジーンズの生地「デニム」を作る手法と同じ
糸の中心が白く残る方法で糸を張りながら染めるので糸自体の強度も上がる。
そしてなによりも「ジーンズの様に当り、色あせ、変色する」経年変化が楽しめるようにする為。
使い込まれた道具は美しい。
GUNJOは履きこまれたジーンズ様にあなたの色に染まる
あなたでしか出来得ない、唯一無二の存在に育てる
ともに生きてあなたの痕跡を纏う道具になってほしい。
4 . 薪バッグ
「薪を一束」包み込み運ぶ、現地で薪となる「木」を探して運ぶ、
テーブルに使う「板」を運ぶ、折り畳みの「椅子」を包んで運ぶ、
キャンプの設営は「運ぶ」事が多い、それは長かったり短かったり様々だが
長いものを包み、運べるように両端は「面接着ファスナー」で開閉が出来る様にしている。
それによって小さなものを包み込んで零れ落ちない様にも出来るし、開くと長い角材だって運べる。
雨の撤収時に少し濡れた物だったり汚れやすいものを運んでも生地にしみこまず拭き取れ、何度も薪を出し入れしても傷まない様、強度も出すために裏地には業務用コーティング素材「ターポリン」を裏地にしている。
更に裏面にも撥水加工をしているので二重に汚れを防いでくれる。
4 . <ツールハンガー>
薪を焚火台に置き、薪をフィールドにセッティングする。
バトニングを始める前にキッチンのセッティングを終わらせる。
薪バッグをツールハンガーにトランスフォームし調理道具をポケットに収納する。
それが僕のルーティン。
暗くなる前に定位置に必要な道具を置いておく。
キャンプはいかにバタつかない段取りが出来るか?が「どれだけリラックスしてキャンプを楽しめるか?」に繋がる。
普段はそんなことしない僕も「キャンプを楽しむ為」にそうするように心がけている。
使い方は簡単だ
バッグの中央にある「トンネル」に木の枝やタープポールなどを通し
吊った時に折れない様張りを持たせそのままどこかに引っ掛けるだけ。
大小さまざまなポケットやデイジーチェーンに道具を突っ込む
大体同じ位置にいつも入れて、使い終わったらそこに戻す
そうすることでキッチン周りがすっきりするし、何より何処だ何処だと探さなくて済む。
5. <焚火エプロン>
キャンプの醍醐味の一つである「料理」
焚火で豪快に料理をするととんでもなくおいしそうに見え、ワイルドさにワクワクする。
そんな時に重宝するのが「焚火エプロン」。
無くても良いけど、あったらスペシャルなアイテム。
そんなシーンを想像してデザインした。
長い物(フライ返し、お箸、お玉)短い物(スパイスケースやナイフ)は大小のポケットに収納し
デイジーチェーンにはトング等のちょっとひっかけておく物をフックする。
多彩なポケットやループが特徴。
胸の部分のポケットはサングラスなどの眼鏡ポケット(落ちない様に返しのステッチ入り)
火吹き棒やオピネルナイフなどをしまえる小振りのポケット。
普段エプロンなどしないキャラのお父さんも、焚火の前でエプロンをつけ
豪快に肉を焼けば、子供たちの羨望のまなざしは独占できる。はず
だよね?まだ試してないが。
難燃加工も焚火の前では本領発揮、ただ製造者からは焚火の前でガンガン料理を楽しんで欲しいとこのエプロンを作っているがあまり火に近いとリスキーなので節度を持ってそこは自己責任でロマンを追ってほしい。
6. 難燃性
インディゴ=藍染の染料は古くから「丈夫で火が付きにくい」と言われ
江戸の町を火事から守る「火消(ヒケシ)」と呼ばれる消防団の半纏(はんてん)に使われていた。
「火に強く」「丈夫」な機能性と藍染の「美しさ」が江戸の粋でいなせな事が好きな江戸っ子に愛されていた。
そんな歴史も大好きなところ。
そんな「藍色」の美しさ、粋な佇まいと難燃性の両立
それを目指しGUNJO TARPには自社工場で「難燃加工」を加工している。
昨今人気の「焚火タープ」「T/Cタープ」それの大体は「綿とポリエステル」でしっかりと厚みのあるタープの事。
それはポリエステルよりも綿が火が付きにくい事、そして日の付きにくさは「生地の厚み」などとも比例し
「綿混率の多い太い糸の生地」は「合繊混率の多い細い糸の生地」よりも火が付きにくい。
その事から「コットンテント」や「コットンタープ」は重い物も少なくない。
GUNJOTARPは「軽さ」も欲しかったので綿100%ではなく横糸をナイロンフィラメント糸にしている。
そして縦糸はロープインディゴ染色の30番手の糸で比較的細めの糸を使用。
ある程度の「軽さ」と「火の付きにくさ」を難燃加工でバランスを取っている。
下の動画はGUNJOTARPに使った実際の「チタニウムブルークロス」を使って、難燃加工の有無での比較検証実験
いわゆる「自社調べ」だが、機能性の参考にぜひ見てほしい。
<着火試験> 離れた火元から難燃加工の有無で「着火のしにくさ」を比較しました。
<燃焼試験> 火元を布に付け「着火」してからの燃焼時間の比較をしました。
見ての通り「加工あり」と「加工無し」では、着火のしやすさも燃焼の速度も「難燃加工あり」優位性を確認できた。
これだけ着火しにくければ、焚火の火の粉が多少接触しても未加工よりも穴が開くことは少ないだろう。
ただ燃焼試験で「難燃」は「燃えない訳では無い」事を再確認。
どんな素材でもそれが早いか遅いかで「燃えてしまえば燃焼する」
焚火は1000℃以上、火の粉は800℃ぐらいと言われるが、綿でもナイロンでもポリエステルでも難燃繊維でも頑張っても着火温度は300℃以下
そして火元が接触する時間が長いほど着火しやすい。
お気に入りのテントやタープに穴が開かない様にまずは火元から適切な距離を取ることをお勧めする。
「難燃」は「不燃」では無い事をお忘れなく。
7. 撥水性
コットンやT/Cタープやテントの一番の弱点 「撥水性」
ポリエステルやナイロンは糸自体にあまり吸水性も無く、熱で圧力をかけて目を潰す「シレ加工」や
さらにアクリルやポリウレタン、シリコンなどを圧着するなど様々な機能の付与が簡単にできる。
しかし綿は水を吸い、一定量を含むとそれ以上水を吸わず溢れる。
そうして溢れた水が浸水する訳だが
その「吸水性を抑え、水を弾くことで浸水を防ぐ」方法
GUNJOシリーズは製品加工で最終工程に「撥水加工」を加工を入れている。
通常「撥水加工」は生地の状態で仕上げ剤として加工されることが多いが
生地で加工したものはストーンウォッシュなどを入れてしまうと撥水剤が落ちてしまう。
背景に「製品洗い加工工場」と言うジーンズ業界ならではの背景があるからこそ
製品になってから最終工程で撥水加工を入れられる。
だから「使い込まれたような表情を出すビンテージ加工 + 撥水加工」と言う相反する性質が同時に加工ができる。
それが我々ならではの合わせ技だ。
そして自然の中で使用する「アウトドア業界」は本来一番気にすべきだと思うが
「撥水性が強い事」ばかりをアピールをして 「環境負荷」の事をあまり喋らない。
GUNJOタープは作る責任をもって撥水剤にはPFOAやPFOSの含まれない、環境負荷の少ない薬剤を使用している。
そうすることで「耐久性」や「撥水性」は通常の剤よりは劣るが
撥水性が弱くなったらアイロンをしたり、市販の環境負荷の少ない撥水剤を噴霧したり
「手入れ」をしながら付き合ってほしい。
もちろん[ H.A.K.U メンテナンスサービス ] 相談してもらえれば
再加工や修理などの相談に乗るのでぜひ使ってほしい。
撥水検証動画
雨の後の撤収作業など、濡れた家具などを運ぶ時でも
裏面(内側)にも撥水加工をしているので、汚れにくく機能的です。
7. 「抜き染め」ロゴサイン
藍染の着物には「抜染(ばっせん)」すなわち「抜き染め(ぬきぞめ)」が良く合う。
「抜き染め」とはその名の通り 通常の「染め」が色を乗せ染めていくことに対し、反対に「色を抜く」のが「抜染(ばっせん)」
一般的なプリントは顔料やラバーと言われるインクを生地の上に乗せ模様を表現するが、抜染は生地の色自体を抜くので
生地の色と柄の色の境目が無く、もともとそこにあったかのように自然な仕上がり。
そして抜き方も白まで抜くのではなく、インディゴの抜けきらない「藍色」が残る様に仕上げた。
一年半前に作った試作の時は全て手作業でキッチンハイターに片栗粉を混ぜて抜染したが、
商品として生産するには生産性も悪く出来ない。ただその時の手作業で出来た何とも言えない「ムラ」が愛おしく
今回の生産工程でも再現してほしいと無理なお願いをさせてもらった。
その方法はシルクスクリーンにムラが出るようにのりを混ぜ、更にヘラでしごく時 均一に力が入らない様にプリントしてもらう。
「均一に安定したプリント」ではなくて「1枚1枚表情が違う仕上がり」になる様に
このプリントは最終工程で 問題があれば商品にならない。
最後の最後で商品にならない「不安定な工程」があるのはとってもリスキーだが
そのリスクと引き換えに手間を加えるからこそ
2枚と同じものが無い、色の濃淡があり、柄のムラ感がのある
手作りの深みを感じる「GUNJOらしいサイン」が生まれる。
8. サイズと仕様
サンプルのサイズ仕様です。
本生産に向けてはサイズ感や仕様もさらに改良されますので、若干の変更がある場合がありますがご了承ください。
9. メンテナンス
ハクマウンテンサプライの製品は様々なフィールドで確実に機能し
出来るだけ長期間着用して頂けるように、生地選定やデザイン、加工を施しています。
しかし衣服である以上、着用する使用頻度、環境、摩擦や圧縮、
熱や湿度や紫外線などを避ける事は出来ず、
例外なく生地は脆化し劣化していきます。
その現実は受け入れつつ
その道具の寿命を出来るだけ長くすべく正しい使用法をアナウンスし
直る部分は出来る限りのメンテナンスを無償で対応しています。
それは我々のバックボーンが自社工場であり、生産者自身である誇りと責任です。
例えば、1年~2年使用するとどうしても撥水剤や難燃剤が落ち機能が低下してきますが
弊社カスタマーサービスに相談していただきますと
有償とはなりますが特別価格で撥水や難燃の「再加工」し新品と同等の機能性に復活
することも可能です。
そうする事で出来るだけ長い期間、経年変化を楽しみつつ、機能性をアップデートできる環境を利用頂ける様にしていきます。
<H.A.K.U商品のメンテナンスについて>
□ 修理をご希望の場合は、下記連絡先にメールを頂くか、電話にてご相談ください。
□ 修理品は修理内容により、時間がかかる場合がありますので、ご了承下さい。
□ 修理内容や製品によっては、修理が出来ない場合がありますので、ご了承ください。
□ 素材の経年による劣化やご使用による激しい損傷など製品寿命である場合、
修理不可能な場合もございますので予めご了承ください。
□ コラボ製品なども同様に保障いたしますが、
モデルによって素材在庫の理由などで元通りの修理が行えない場合もございます。
□ 一部修理において、有償となってしまうケースもありますので予めご了承ください。
<修理品に関するお問い合わせ先>
タカヤ商事株式会社
営業時間 平日 月~金 10:00~17:00
TEL : 084-955-3601
MAIL : haku@fib.takaya.co.jp